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結婚当日に怖気づいた彼

(過去日記から抜粋)

【結婚当日に怖気づいた彼】

あと、
数時間後に結婚7年目の記念日が
やってくる。

お買い物から帰ってくると
旦那と子どもは外出中。
もう夜も10時前だというのに
どこに行ったのだろう?

もしかして、
結婚記念日のプレゼントとカードでも
買いにいったのかしら? 〃 ̄ー ̄〃

やっぱり"ラッキー・セブン"とも言える
結婚7周年は私にとって特別な意味の
ある日だと思う。

昨日あたりから色々と結婚当初の
事を振り返って思い出してしまう。

7年前の10月19日、
私たちはこのハワイで結婚しました。

今日はその結婚にまつわる秘話を
書こうと思う。

本当はずっと前に書こうと思ったけど
恥ずかしくて勇気がなかった。
だけど、今日は何故か書きたい気分。

実は私達の記念日は10月19日ではなく、
10月18日になる予定でした。

なぜ、前日が予定だったのかと
言うと、、

今日の日記の題名のとうり、
私達は結婚当日に牧師さんを前にして
結婚せずに帰ってきてしまったのだ。。

・・・・・

私達は結婚式をしないで
入籍だけをしました。

ハワイで入籍をするには
まず、マリッジ・ライセンスと
いう紙をヘルス・デパートメントへ
もらいに行く。

でもそれだけでは結婚をした
ことにはならない。

通常はその紙を持って教会で式を挙げて
牧師さんにサインをもらって結婚完了となる。

けど、私達は式をしなかったから
別の場所で牧師さんからサインを
もらう必要があった。

式をしなくても牧師さんの前で誓いを
立ててサインをもらわないと結婚は
完了しないの。

婚姻届を出せば結婚が完了する
日本とはかなり違いますよね。

式をしない私達は
レストラン・ロウのビルの何階かに
あるオフィスで牧師さんにサインをもらうようにと
ヘルスデパートメントから案内をもらった。

一見オフィスみたいな場所だけど
そこにはちゃんと牧師さんがいて
誓いの言葉を牧師さんの前で交せるの。

そして牧師さんが紙にサインをしてくれて
その紙は自動的に役所へ届いて結婚が完了する。

忘れもしない
あれは7年前、結婚した日の
前日、「10月18日」の出来事。

牧師さんのいる場所へは
二人きりで行きました。

その日の朝、旦那は不運にも車を盗まれて
ショーンにボロボロでくっさい匂いのする
車を借りて行ったっけ。。

ほかにもたくさん人が来ていて
オフィスの前では列になって
カップルやその友達らが並んでいました。

ほかのカップルはにぎやかで
本当に幸せそう。

幸せで当たり前よね。
なんてったって結婚するんだもの。

それに比べて旦那ときたら
まるでお葬式みたいな
顔をしていたの。

うつむいて一言も
口を聞かないし。

「一体どうしたの?」
と聞くと、

「緊張しているんだ」
としか言わない。

緊張してるったって、
一生に一度の結婚の日に
そんな暗い顔など見たくない。

「車を盗まれたことが
ショックなの?」

「ううん、緊張してるんだ。」

緊張って、そんなに暗い顔で
嬉しい緊張なのか悲しい緊張なのか
一体どっちなのよ?!
だんだんとムカムカしてきた私。

問い詰めると、
信じられない事に
結婚する事が無性に怖いと
言い出したの!

7歳の時、両親の離婚をマジかに見て
心を閉ざしてしまい、カウンセラーに
通った経験もあると話してくれた。

それ以来、自分は絶対に結婚はしたく
ないと思ったそうで。。。

んで、本日結婚する事になって
怖気づいてしまったという訳だ。

怖気づくなら、今日ここに来る前に
怖気づいて欲しかった。

よりによって、どうして
結婚当日の今になって怖気づく訳?

そんな7歳の時の両親の離婚の話を
私達の結婚の日にしなくても
いいんじゃないの?

と、思うと私のムカムカ度も
どんどんと上昇していった。

「もう帰りましょう!」

突然、そう言い放って私は出口の方へ
つかつかと歩いていった。

後ろから旦那が「ちょっと待ってくれよ」と
引き止める予定だった。

予定通り、
旦那は「ちょっと待ってくれよ」と
私の腕をつかんでくれた。

だけど、顔はやっぱり暗い。

そうこうしている内に
私達の番がやってきた。

オフィスに入るとひとつの部屋に
案内される。

そこには牧師さんが待っていた。
ますます緊張で暗い表情の旦那。

それを見て、ますます
怒った表情の私。

そして、
牧師さんは言ったの。

「お二人とも今日は帰りなさい。
そんな気分で大切な結婚は出来ないでしょう」

もう、びっくりしたやら、
恥ずかしいやら、

帰ってきました。

帰りの車の中でも一言も口を
聞かなかった私。
アパートの前に送ってもらって
車を降りようとした私に、

「ごめんね。
明日は行くから」

そう言って悲しそうに旦那は
帰って行きました。

翌朝、またショーンの車を借りて
私を迎えに来ました。

今回はルームメートのSちゃんも
一緒に来てくれた。

Sちゃんはまたもや暗い?緊張の?
表情の旦那と私の写真を撮ってくれたり
して雰囲気を明るくしてくれました。

Sちゃんに立会人になってもらって
無事に結婚式が終わりました。

牧師さんとSちゃんが結婚証明書に
サインをしてくれた時、私も
やっと嬉しさがこみ上げてきました。

旦那も嬉しそうだった。
もう後戻りは出来ないものね(苦笑)

あの時、Sちゃんが撮ってくれた
写真をまだ持っている。
私は白いワンピースを着て幸せそうに
笑っている。

その隣で旦那は顔を引きつらせて
笑ってるの。

旦那はその日の朝、
ショーンに聞かれたらしい。

昨日、結婚するって車を借りていったばかりなのに、
どうして今日も結婚するって車を借りるのかって。

二日も続けて牧師さんに会うカップルも
珍しいと思います。

私達、結婚したことをお互いの両親に
6ヶ月ばかり黙っていたの。
私の親は"外人と結婚するのは駄目よ"
って帰省する度に念を押されていたし。

旦那はどうしてだろう?
やっぱり親にはすぐに言えなかったらしい。

結婚10年目には結婚式をしようねって
あの時、旦那と約束したのだけど
旦那はそれを覚えているのだろうか。

私は今でも覚えているわよ。

たとえ結婚式が出来なくても10周年には
お互いの家族をハワイに呼んで
パーティをしたいと思う。

そして"あの"ドレスを着たい。

私は薄いラベンダー色のオーガンジーの
ドレスを持っているの。
シンデレラが着るみたいな
ふわふわな素敵なドレス。

7年前に結婚式が出来なかった私が
あの頃、店先で見つめていたドレス
があった。

お金が一番ない新婚時代だったのに、
いつ着れるかもわからない高いドレスを
黙って旦那は買ってくれた。

そのとても大切なドレスは
もちろんまだ一度も着たことがない。
時々出しては眺めてるだけ。

3年後の結婚10周年のパーティでは
私達がお世話になった家族やお友達を
ハワイに呼んでこのドレスを着れたら幸せだな。

異国からきた私と"勇気を出して"
結婚してくれたあの時の旦那は
まだ23歳でした。

今まで大切にしてくれて
どうもありがとう。

旦那の口癖は
「僕の結婚はこれが最初で最後。
たとえ離婚することがあっても、
僕の結婚は一度きりだから、これで最後」

旦那の人生のたった一度の
結婚相手に私を選んでくれたんだから
私も彼を幸せにしてあげないといけない。

大切にするね。
ありがとう。

家庭や私を大切にしてくれる
男性と結婚が出来た事、
この7年目に本当に感謝をしようと思う。

次は日曜戦争


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